聾学校における令和の日本型学校教育実践への取組(本校小学部)

1 【千種聾学校小学部の授業づくりについて】

私たちは「聴覚障害教育と令和の日本型学校教育のベストミックス」をテーマに、子どもたちの主体的・対話的で深い学びを実践するため授業改善を進めています。聴覚に障害のある子どもならではの課題や傾向を把握・意識し、必要な配慮や支援とは何か、どのように工夫したらよいかを検討しています。

聴覚に障害のある子どもたちもまた、予測不可能な将来をたくましく生き抜いていかなければなりません。そのため、これまで培ってきた聴覚障害児教育の専門性を大切にしつつ、従来の指導者主導・一斉型授業の見直しを行っています。

聾学校だからできる一人一人の子どもを主語にした教育活動を推進し、子どもたちが自ら学び、考え、行動できる一人一人の社会人としてのびのびと羽ばたくことを願い、実践と研修を繰り返しています。

2 【外部専門家と連携した取組】

3【校内での取組】

本校小学部では3年前から令和の日本型学校教育の実践に向けて研修・研究を続けています。今回は「教科教育における探究的な学習の進め方」と題して校内研修を実施しました。この研修のポイントは以下の4点です。

4【実際の授業について】

探究型の授業では、思考スキルを習得するために児童が思考ツール(シンキングツール)を活用しながら情報を整理して課題解決に向かいます。授業で児童が作成した思考ツールの例を紹介します。

分類する・・・Y、Xチャート(4年生 国語「クラスみんなで決めるには」)

多面的に見る・・・バタフライチャート(5年生 国語「よりよい学校生活のために」)

関係づける、関連付ける・・・コンセプトマップ(5年生 社会「私たちの生活と工業生産」)

順序だてる・・・ステップチャート(5年生 算数「面積」)

変化をとらえる・・・プロットダイヤグラム(6年生 国語「やまなし」)

②板書の様子【学びの地図としての板書】

学びの記録(学んだ内容)としての構造的な板書ではなく、学びの地図(学びの進め方)としての学習の手引きとなる板書を目指しています。

(参考資料:中京大学教授 泰山裕先生 思考スキルと思考ツールの対応表)

5 「令和の日本型学校教育」推進のためのリスト